過払い金請求を自分で行う場合の方法を徹底解説!
近年ではテレビのコマーシャルや雑誌の広告などで、「過払い金請求」という用語を見かけることが多くなっています。
過去にカードローンなどを利用した際に払い過ぎた利息が過払い金であり、存在する場合には請求手続きによりこれを取り戻すことができるのです。
過払い金の請求は弁護士や司法書士などの法律のプロに依頼することが一般的ですが、自分で行うこともできます。
過払い金請求を自分でするための方法や手続きなどについて、さらに詳しく確認してみましょう。
もくじ(メニュー)
- 3-1)手間と時間がかかる
- 3-3)訴訟を起こすのが大変
- 3-4)家族にバレる可能性がある
- 4-1)賃金業者から取引履歴を取り寄せる
- 4-2)0和解に注意
- 4-3)過払い金の引き直し計算をする
- 4-4)過払い金返還請求書を送付する
- 4-5)電話等で和解交渉を行う
- 4-6)過払い金請求の裁判を起こす
- 4-7)過払い金返還
- 6)まとめ
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過払い金請求は専門家に依頼せず自分で行うこともできます
以前の利息制限法には明確な罰則規定が設けられていなかったため、多くの貸金業者がこれを超える「グレーゾーン金利」と呼ばれる高額な利息を請求していました。
現在はグレーゾーン金利は違法であることが判例により確認され、払い過ぎた利息があれば「過払い金」としてこれを取り戻すことが認められています。
過払い金を取り戻すための手続きが過払い金請求であり、法律の専門家である弁護士や司法書士などに依頼することが一般的です。
ただしその際には高額な報酬費用の支払いが必要になります。
できるだけお金をかけずに過払い金請求をしたい場合には、手続きを自分で行うという方法があります。
時間や手間がかかりますが、一般の人が自ら過払い金を取り戻すことができるのです。
ただしその際には貸金業者との交渉や裁判所での手続きなどが必要になりますので、そのことをしっかりと理解した上でくれぐれも慎重に検討しましょう。
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自分で過払い金請求を行うメリット
過払い金請求を自分で行うことのメリットとしては、何といっても費用がかからないことがあげられます。
弁護士や司法書士はあくまでも業務の一環として過払い金請求を行いますので、手続きを依頼する場合には報酬の支払いが必要になります。
実際に必要な費用はそれぞれの弁護士や司法書士や、取り扱う請求額の多少により異なるのですが、通常は相談料として1時間あたり5千円から1万円程度、着手金や報酬金として1業者あたり2万円から3万円程度、さらに成功報酬として取り戻した過払い金の10%~20%程度が請求されることが多いようです。
請求手続きを自分で行うようにすれば、各種報酬費用の支払いを省略することができます。
切手や印紙の料金や裁判所への交通費などを負担すればOKとなりますので、請求のための費用を大きく抑えることができるのです。
特に過払い金が少額の場合には、自分で手続きを行うことが有利になります。
その他には法律や会計に関する知識が深まることなども、自分で過払い金請求を行うメリットになります。
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自分で過払い金請求を行うデメリット
手間と時間がかかる
過払い金請求の手続きを自分で行えば費用を節約できますが、一方で様々なデメリットがあるため注意が必要です。
まずは請求のために手間や時間がかかることがあげられます。
過払い金請求を行うためには払い過ぎた利息の金額がいくらなのかを自分で計算して、一定の書式に従って過払い金の返還請求書を作成することが必要になります。
さらに貸金業者への書類の送付や貸金業者との交渉なども、自分自身で行うことが必要になるのです。
過払い金の金額を明確にするためには、これまでの取引の履歴の開示を貸金業者に請求して、利息制限法が定める上限金利を超える利息が請求されているかどうかを確認します。
過払い金が見つかった場合には返還請求書を作成・送付して、その後は電話などで貸金業者と交渉することになります。一部には本人からの過払い金の返還請求を放置する貸金業者なども存在しますので、諦めず粘り強く交渉することを心がけてください。
足元をみられ低い和解金額を提示されやすい
自分で過払い金請求を行う場合には、貸金業者に足元をみられ低い和解金額を提示されやすいというデメリットがあります。
貸金業者は多くの顧客から過払い金の返還請求を受けているため、その対応には慣れています。
弁護士や司法書士などの法律の専門家からの請求に対しては迅速に対応しますが、一方で本人からの請求は後回しにされることが多いようです。
本人が過払い金請求を行うと、ほとんどの場合には本来の過払い金よりも少ない金額で和解を持ちかけられることになります。
例えば過払い金として100万円の返還を請求すると、「当社で計算したところ過払い金は30万円になりました」「50万円を返還する条件で和解しませんか」などと提案されるのです。
貸金業者は独自の基準やルールにより過払い金を計算しますので、安易に同意することなく法律上請求が認められる本来の過払い金満額の支払いを求めるようにしましょう。
訴訟を起こすのが大変
さらに自分で過払い金請求を行うデメリットとしては、訴訟を起こすのが大変なことがあげられます。
貸金業者は請求額の一部の支払いで和解を求めることが多く、請求した過払い金満額の支払いに応じない場合には法的手続きが必要になります。
具体的には裁判所に対して過払い金返還訴訟を申し立てて、裁判により過払い金の返還を争うことになるのです。
訴訟の申し立てには訴状や計算書類や各種証拠などの提出が必要であり、さらに指定された日には裁判所に足を運ぶことが必要になります。
手続きに不安を感じる場合や、裁判所に足を運ぶことが難しい場合などには、無理をせず弁護士や司法書士に依頼することを検討しましょう。
各種手続きはもちろんですが、裁判についても安心して任せることができます。
過払い金返還訴訟で代理人になれるのは本来は弁護士に限られますが、請求する過払い金の総額が140万円以下の場合には司法書士も代理人になることが認められます。
家族にバレる可能性がある
その他の自分で過払い金請求を行うデメリットとしては、家族にバレる可能性があげられます。
過払い金請求を行うと貸金業者から自宅に電話がかかってくることがありますし、訴訟を申し立てるとその後は裁判所からの郵便物が届くため、過払い金請求を行ったことを家族に知られてしまう可能性があるのです。
過払い金の請求は法律上正式に認められた権利であり、請求したからと言って特に問題が生じることはありません。
ただし家族に内緒でカードローンを利用していた人の場合には、バレると家庭内が気まずくなってしまうことが多いようです。
過払い金請求を家族に知られないように行うためには、やはり弁護士や司法書士などの専門家に依頼する方法をおすすめします。
正式に依頼をするとその後は弁護士や司法書士が交渉の窓口となり、貸金業者が直接本人と話をすることはできなくなります。
自宅に電話がかかってくることや各種郵便物が届くことはありませんので、家族バレを確実に防ぐことができるのです。
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自分で過払い金請求を行う方法
賃金業者から取引履歴を取り寄せる
「過払い金請求」とは、過去に貸金業者などから借入れを行った人が、返済時に払い過ぎた利息分を返してもらうことです。
また、法律家に依頼することも可能ですが、所定の手続きを踏まえれば自分でも請求できます。
実際には過払い金請求ができる期間や条件に決まりがあり、それを間違えてしまうと請求が認められません。
過払い金請求は、2007年に貸金業法が改正になったことではじまりました。
そして、その請求期間は原則10年となっています。
つまり、10年を超えると請求権が時効となり、それ以降は請求することができません。
しかし、ここで注意したいのは原則10年の起源です。
法はこの起源を借入れ金の返済を最後に行った日と定めています。
つまり、実際の取り引き状況によっては、まだ時効を迎えていないケースも多いのです。
そこで、返還手続きに向けて、時効になっていないことを確認しましょう。
そのために、過去に借入れした賃金業者から取引履歴を請求することが大切です。
0和解に注意
過払い金請求の手続きを進める中で、注意しなければいけないポイントがあります。
まだ完済日から10年が経過していない場合でも、賃金業者との間で双方に債務がないことを示す合意がないことです。
この合意を0和解ともいいますが、この合意がなされていると仮に10年が経過していなくても請求権は認められないことになっています。
自分で過払い金請求を行う際に、賃金業者との間でこの0和解がないのか関係書類で確かめましょう。
仮にこの合意が書面に残っていれば、取引履歴を取り寄せた賃金業者から通知されることがあります。
また、借入れ金を返済中であっても、過払い金の請求は可能です。
しかし、賃金業者の中には債務よりも過払い金請求が多いと分かれば、この0和解を持ちかけてくるケースも珍しくないのです。
一度でも和解してしまうと、取り消すことはできないので注意しましょう。
過払い金の引き直し計算をする
賃金業者から取引履歴を取り寄せたら、利息制限法に従い法定利息を確認します。
法定利息利息の範囲内であれば、契約が有利になります。
借入れ金額が10万円未満の場合には20%まで認められ、100万円未満であれば18%、100万円を超える場合には15%となっています。
これまでグレーゾーンとされていた出資法の上限金利は29.2%です。
例えば10万円未満の借入れでは、金利の差額9.2%部分が過払い金請求に該当します。
この計算を引き直し計算と呼びます。
自分で請求するためは、請求可能な金額を把握しなければいけません。
計算方法を間違えてしまうと、返金不足や過剰な請求となり、払い戻しが認められなくなります。
計算に不安を感じる場合、パソコンの表計算ソフトなどを使うと便利です。
過払い金返還請求書を送付する
実際に返済してもらえる金額が確認できれば、「過払い金返還請求書」を賃金業者に送付します。
一般的には、書類の右上に作成日を書き、過払い金返還請求通知書と書きます。
次に請求先の住所と会社名または名前、そして担当者名も分かれば記載します。
本文には、取引が行われた期間、引き直し計算によって確認できた金額、さらに過払い金の振込日と自分名義の口座番号を明記しましょう。
さらに、返還に応じない場合には、民事訴訟の意思があることも記載します。
最後に自分の住所氏名を添えます。
実際の送付方法ですが、自分で直接持参するよりも、郵送を使います。
また、郵便料は高くなりますが、普通郵便ではなく内容証明郵便にしましょう。
内容証明郵便は、過払い金請求の民事訴訟で有効な証拠として使用できます。
電話等で和解交渉を行う
過払い金請求は電話等を使ってもかまいません。
交渉をスムーズに行うには、電話など交渉内容を記録することです。
必要であれば、電話の内容で録音させてもらうことを賃金業者に伝えます。
特に借入れ金の返済を継続している場合、自分で引き直し計算を行った結果、すでに完済済みというケースもあります。
その際、電話などで直接担当者に現状を申し立てれば、和解交渉に移ることも可能です。
申し立てられた賃金業者の方でも、確認してくれるでしょう。
必要に応じて、取引金額や取引金額、これまでの返済状況が分かる計算資料もFAX や郵便で送付すれば、和解交渉もスムーズです。
和解に応じてくれた場合でも、今後のトラブルを避けるために合意書を取り交わします。
過払い金請求の裁判を起こす
場合によっては、過払い金請求を拒否されるケースもあります。
その場合には、民事訴訟で過払い請求します。
その際、取引履歴書、引き直し計算書、過払い金返還請求書、さらに訴状の4つがそれぞれ3部ずつ必要です。
また、相手が法人であれば、商業登記簿記謄本も2部用意します。
訴状の作成では、返還金額に加えて法定利息5%を加えることも可能です。
実際の訴訟に必要な費用は、印紙代と郵券代、商業登記謄本の取得費です。
印紙代は100万円以下の請求であれば、1万円以下で済みます。
郵券費とは、裁判所から業者へ訴状を郵便する費用です。
6000円程度が相場になります。
商業登記簿謄本は、法務局に申請する印紙代600円です。
大まかな訴訟の流れとして、管轄の簡易裁判所または地方裁判所に申立します。
場合によっては、相手側に訴状が届いた時点で和解交渉になることも少なくありません。
さらに、自分で訴訟すると指定された日時に裁判所へ出向します。
過払い金返還
過払い金請求を行うと、返還に応じてくれる賃金業者も少なくありません。
一方、たとえ訴訟で勝訴した場合でも、賃金業者の経営状況によっては満額が認められないケースもあります。
さらに、なかなか返還に応じようとしない賃金業者もいます。
その際は、過払い請求の訴状とは別に強制執行の手続きも必要です。
自分で過払い金請求を行う際は、請求方法やその期間も十分に考慮しましょう。
例えば民事訴訟で勝訴した場合では、実際に過払い金が返還されるまでの期間が数カ月から1年になることも少なくありません。
つまり、交渉方法や問題解決の着地点を争うことになれば、返還までの道のりは延びてしまいます。
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難しいと思ったら弁護士や司法書士に相談してみる
10年の時効に触れないなどの条件が整えば、過払い金の返還請求は誰にでも可能です。
しかし、取引履歴書の請求にはじまり、相手との交渉となれば、場合によっては長期化することもあるでしょう。
しかも、慣れない民事訴訟を自分ひとりで進めるのは心細くもあります。
そこで、交渉に戸惑いを感じたり、賃金業者の対応に打つ手をなくしたときには、法の専門家である弁護士や司法書士に力を借りるのも方法です。
法律家に依頼することで、時間的な余裕も生まれますし、民事訴訟などに踏み切っても直接自分で裁判所に足を運ぶ必要がありません。
また、過払い金請求は、交渉の進め方で結果に大きな違いが生じることもあります。
そこで、請求をはじめる前に、法律の知識や必要な情報を集めることも大切です。
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まとめ
無理をしないで過払い金を取り戻したいなら、最初から自分ひとりで交渉を進めないことです。
そして、時間と手間、交渉結果を優先し、過払い金請求の方法を決めましょう。
場合によっては、弁護士などの法律家に相談し、アドバイスや注意事項、交渉の難しさなどを確認します。
比較的、返還請求に応じる賃金業者であれば、自分で手続き進めることもできます。
その際も、時効期間や0和解など、法的な効力を持つ行為には注意が必要です。
また、満額請求に応じてくれるケースよりも、50%程度などの割合で和解を持ちかけられるケースが少なくありません。
長期化しても交渉を継続させるべきかの判断は、効率的に過払い金請求する際のポイントです。
そのためにも、手順をしっかりと確認し、順序立てて交渉に入りましょう。
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