リボ払いも過払い金請求をできるのか
毎月の支払いが一定の金額ということもあり、クレジットカードのリボ払いを利用している人もいるでしょう。
支払いがなかなか終わらない、なかには請求金額が火ダルマ式に増えていって、結果的に自己破産するケースもあります。
便利なように見えて実は危険なリボ払い、返済金額よりも多くカード会社に支払っていることもあるでしょう。
その場合、過払い金請求はできるのでしょうか?今回は、リボ払いで困っている人のために過払い金請求ができるケースとできないケースをご紹介します。
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リボ払いで返済していた場合も過払い金は発生する
2010年に出資法の金利が利息制限法の金利に統一されるまで、両方の上限金利には大きな差がありました。
この差をグレーゾーン金利といい、返済時に払いすぎた金額を過払い金といいます。
なぜ、過払い金が生じたかというと利息制限法に罰則がなく、法外な金利が設定できたからです。
特に消費者金融は、高い金利を設定し、利息を取っていました。
そうすると借金が返済できない多重債務者が出るようになり、なかには自己破産する人も出ました。
このような法外な金利の設定は消費者金融だけではありません。
クレジットカードでも、毎月一定の金額を返済するリボ払いには、高額な金利が設定されていました。
そのため、金利が統一する前にリボ払いしていた場合には過払い金が発生しているかもしれないのです。
CMでも宣伝されているように、リボ払いは一括払いよりもラクな印象がありますが、返済時には手数料が発生しますし、何ヶ月も支払いが続きます。
クレジットカードの支払い方法のなかでは、最もリスクがある方法といってもよいでしょう。
クレジットカードはとても便利なものですが、使い方によっては必要以上に支払わなければならなかったり、トラブルに巻き込まれる可能性もあります。
現在は、金利が統一されているので、過払い金は発生しなくなっていますが、支払い方法によっては実際の金額よりも利息を多く払うこともあるということも知っておきましょう。
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過払金請求ができるのは「キャッシングリボ払い」のみ
クレジットカードで過払い金請求ができるのは、キャッシングリボ払いをしていた場合のみになります。
キャッシングは、カード会社にお金を借りることをいい、返済時には金利が発生します。
キャッシングした際の金利は一般カードだと4.40%~18.0%になっています。
金利は日割り計算になっているので、すぐに返済ができれば問題ありませんが、日数がかかればそれだけ多くなります。
キャッシングリボ払いには、カード会社が設定する最低金額で払う「標準コース」と自分自身で支払い金額を設定する「定額コース」があります。
どちらも支払いは1回では終わりませんし、返済までにかかる期間は数ヶ月に及びます。
金額によってはカード会社の返済シミュレーションよりもかかることもあり、利息が支払い金額よりも多くなるということもあるでしょう。
クレジットカードでキャッシングをしても1回で返済が完了した場合には、過払い金は請求できません。
1回払いだと、よっぽどのことがない限りは借りたお金よりも利息が多いということはありませんし、リボ払いのように「グレーゾーン金利」が発生することもないでしょう。
返済までに時間がかかったとしても過払い金にはなりません。
また、キャッシングリボ払いの過払い金請求に関しても、最後にカード会社との取引があってから10年以内となります。
時期によってはすでに時効が成立していることもあるので、気をつけましょう。
ショッピングリボ払いは過払い金請求できない
同じリボ払いでもキャッシングは過払い金請求ができますが、ショッピング枠ではできません。
キャッシングは、カード会社からお金を借りることになるので過払い金の対象になりますが、ショッピング枠はカード会社が支払いを代行するシステムのことで、借金をしているわけではありません。
そのため、リボ払いで支払い金額が嵩んでも過払い金にはならないのです。
クレジットカードのキャッシングは、金利が発生しますが、ショッピングでの利用分でリボ払いをしても手数料のみで利息はかかりません。
ショッピングリボ払いでクレジットカードの支払いができなくなった場合には、借金でいうところの任意整理をすることになります。
これは、支払い金額のみをカード会社に払う方法で、返済金額が少なくなります。
過払い金のように請求すればお金が戻ってくるわけではありませんし、カード会社のブラックリストに載ってしまいます。
持っているクレジットカードも使えなくなりますし、新しいカードも作ることができません。
過払い金に関しても、すでに完済している場合はキャッシングができなくなるだけですが、まだ、支払いが残っている場合には任意整理と同じくブラックリストに掲載されますし、新規でクレジットカードも作れなくなります。
キャッシングにしても、ショッピングにしても、リボ払いをするということはリスクが多いということを理解しておきましょう。
銀行カードローンのリボ払いは過払金請求できない
消費者金融や銀行、信販会社では、カードを使ってお金が借りられるカードローンを行っています。
カードローンの支払い方法で多いのが、リボ払いです。
クレジットカードのリボ払いと同じように一定の金額を返済する方法で、ボーナスの時などお金に余裕があるときは、支払い金額を増やすということもできます。
消費者金融や信販会社のカードローンは、長期間返済を続けていたり、利息分を多く返済していた場合には過払い金請求ができますが、銀行カードローンはできません。
銀行カードローンは、消費者金融や信販会社と比べると審査が厳しく、金利も0.9%~18.0%なので法外に高くはありません。
しかも、グレーゾーン金利が問題になる前から低金利なので、過払い金請求の対象にはならないのです。
銀行カードローンは、キャッシュカードがあればお金が借りられますし、返済もATMからできるというメリットがあります。
それでも返済が滞ってしまったり、利息分の負担がきつく感じてしまう人もいます。
返済ができなくて任意整理をすれば、こちらもブラックリストに掲載されてしまいます。
消費者金融や信販会社に過払い金請求をした場合、すでに完済している場合には請求金額が戻ってきますが、カードローンの利用はできなくなります。
現在も返済中の場合には、カードローン使えなくなるだけでなく、ブラックリストに載ります。
過払い金の請求は、払いすぎたお金を取り戻す権利といえば格好いいのですが、クレジットカード会社やカードローンの信用調査にも関係するということも知っておきましょう。
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過払い金請求ができる可能性のある主なクレジットカード会社
過払い金請求という言葉を聞いたことがある方も少なくはないでしょう。
過払い金は、一般的な消費者金融からの借入金だけではなく、クレジットカード会社からも請求できる場合があります。
クレジットカードにはショッピング機能とキャッシング機能という2つの機能がありますが、過払い金が発生している可能性があるのはこのうちキャッシング機能と呼ばれる借入金の場合です。
では、過払い金を請求するためにはどのような条件が必要なのでしょうか。
過払い金が発生するためには、法定金利を超えた利息の支払いをしていた必要があります。
法定金利は貸金業法により定められており、借入金によって15%~20%となっています。
この法改正は2008年に行われ、2010年に完全施行されました。
ですので、これ以前に借入していた場合は現在の法定金利以上に支払いをしていた可能性があるということです。
また、請求先がはっきりしていないといけませんので、現在も業者が正常に運営されている必要があります。
では、実際にどのようなクレジットカード会社であれば過払い金請求を行うことができるのでしょうか。
主なクレジットカード会社をご紹介します。
過払い金請求が最も多いとされているのが、エポスカード(旧マルイカード)です。
その他にも、セゾンカードやオリコ、ニコス、セディナ、イオン、ニッセン、アプラスなどが過払い金請求の可能なクレジットカード会社です。
これらの会社はいわゆる大手業者とされているため、現在でも請求が可能な場合があります。
2008年以降の借入は過払い金が発生しない
過払い金の請求に必要な条件として、現在の法定金利よりも高率な利息を払っていた場合が挙げられますが、前段落でもご説明した通り2008年に法改正が行われました。
それにより各クレジットカード会社の金利も改められ法定利息となったため、原則2008年以降に借入を行っていた場合は過払い金が発生していません。
また、過払い金請求が行える時効は10年となっています。
この期間は、最後に返済を行った日から10年間です。
そのため、2018年以降は過払い金請求が難しい場合が多いです。
ですが、同一カードを継続して利用していた方はまだ請求することができる場合もあります。
クレジットカードの支払いにリボ払いというものを利用されている方もいることでしょう。
リボ払いも2種類に分けることができ、ショッピングリボとキャッシングリボです。
このうちショッピングリボは法律上手数料として扱われるため、借入金として認められていません。
つまり、こちらの場合はいくら利率が20%を超えていても過払い金請求はできないということです。
ですが、キャッシングリボについては利息の支払いですので、過払い金が発生している場合もあります。
こちらも現在はどのクレジットカード会社も法定金利内ですが、以前に20%以上の金利で利息を払っていた場合は過払い金請求を行うことができる場合もあります。
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リボ払いの過払い金請求をする際の注意点
過払い金請求したクレジットカードは解約される
原則として、過払い金を請求したクレジットカードは解約されてしまいます。
ここが大きなデメリットとも言えます。解約されるということは、キャッシング枠はもちろんのこと、ショッピング枠も使えなくなってしまいます。
利用者の中には、光熱費など公共料金や携帯電話使用料などの通信料をクレジットカードで支払っているという方もいることでしょう。
つまり、解約されてしまうとこういった料金の引き落としもできなくなってしまいます。
その他注意が必要な場合があります。
原則、解約されるクレジットカードは過払い金を請求したカードだけで他のカードは使うことができますが、場合によっては別のクレジットカード会社であっても利用できなくなる場合があります。
その場合とは、借入金やショッピング枠の支払い、リボ払いに残高がある場合、つまり借金がある場合です。
この場合は債務整理という扱いになってしまい、クレジットカード会社間の信用情報機関に登録されます。
その結果として、他社カードであっても使用不可となるということです。
また、クレジットカード会社の合併吸収などにより名前が変わっている場合や、他社の傘下に入った場合は現在の所在が分かりにくくなっている場合があります。
過払い金を請求した会社の系列により、請求を行ったカードだけではなくその系列のカードも使えなくなる場合がありますので、注意が必要です。
ですが、どのカード会社がどの系列であるかということを把握するのは難しいため、専門家に相談することが確実と言えるでしょう。
ショッピング借入が残っている場合の過払い金と相殺される
<ショッピング枠にリボ払いなどの借入金がある場合、過払い金請求をするとその借入金と請求金が相殺されます。
長年にわたって借入を行っている場合などは、過払い金も高額になっている可能性が高いため、借入金を全額相殺でき、さらに手元にお金が戻ってくる場合もあります。
ですが、借入額が請求金を下回る場合は債務整理となってしまい、信用情報機関に登録されます。
そうなるとすべてのクレジットカードはもちろん、銀行系のカードも使えなくなる可能性が出てきます。
例えば過払い金が20万円ありショッピング借入が5万円であれば、戻ってくる可能性があるのは20万円から5万円が相殺され、手元に戻ってくるのは15万円です。
この場合は借入額を全額返済できたということですので、解約される可能性が高いのは過払い金請求を行ったクレジットカード会社のカードのみとなります。
ですが、過払い金が20万円に対し、ショッピング借入が25万円であれば、全額過払い金請求ができたとしても5万円の借金が残ったままになります。
この場合は債務整理の対象となり、いわゆるブラックリストに登録され、すべてのカードが使用できなくなる可能性が高くなります。
いずれの場合にしても、過払い金請求が可能か、どのくらい手元に戻ってくるのか、債務整理の対象となるのかならないのかということは個人で把握するのは難しいことです。
ですので、個人で請求を行う前に専門家に相談するのが望ましいでしょう。
債務整理の対象となってしまうとローンなどを組むことも難しくなるため、慎重に行う必要があります。
相談だけなら無料で行ってくれる弁護士などもいます。
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まとめ
クレジットカードの過払い金は、キャッシング枠に限り請求することができます。
請求できる条件は、法定金利である20%以上の高利で支払いをした経験があること、クレジットカード会社が現在も運営されていること、最後の支払いから10年間以内であることです。
金利は2008年に法改正が行われているため、主に請求することができるのは2007年以前の借入金です。
過払い金請求について注意が必要な点は、請求を行ったクレジットカードが原則解約されてしまう点です。
公共料金などの支払いをクレジットカード支払いにしている場合は気をつけましょう。
また、借入金やリボ払いが残っている場合は、請求金と相殺されますが、それでも借金が残る場合は信用情報に傷がつきます。
いずれにしても、過払い金請求を行う際は専門家に相談することが望ましいでしょう。
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