過払い金が発生しないケース・過払い金が発生しない貸金業者まとめ
長い間借入と返済を繰り返していると過払い金請求ができる可能性が高いといわれていますが、実際に手続きをしてみると取り戻せなかったというケースも意外とあります。
過払い金を期待して手続きをしても、現金が手に入らなければ費用と手間をかけるだけで無駄骨です。
そこでこちらでは、過払い金が発生する仕組みと過払い金請求ができない代表的なケースをいくつかご紹介していきます。c
手続きをするかどうかで迷ったときの基準にしてください。
もくじ(メニュー)
- 4-1)借入先がわからない場合
- 4-2)明細や契約書を無くした場合
- 4-3)自己破産している場合
- 4-4)リボ払いで利用していた場合
- 4-5)完済したが複数回借入があった場合
- 5)まとめ
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過払い金が発生する仕組み
そもそも、過払い金はグレーゾーン金利と呼ばれる金利で取引がされていたころの名残です。
2010年に改正貸金業法が施行されるまでは、貸金業者は出資法に基づく年29.2%に近い金利で貸し付けを行っていました。
しかし、改正貸金業法施行後は、すべての取引において利息制限法に基づく年15~18%の金利で取引をしなければならないと定められたため、これ以前の取引も利息を引き直して計算し直せるようになったのです。
年10%以上ある利息の差額を元本の返済に回した結果、借金が残っているように見えても実はすでに完済しており、それどころか払い過ぎていたというケースが多発しました。
この払い過ぎたお金を返還するように業者に請求する手続きが、一般的に言われている過払い金請求になるのです。
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過払い金請求ができないケース
利息制限法の法定利息で取引していた場合
過払い金が発生するには、ある程度の期間グレーゾーン金利で取引をしていたという状況が必要不可欠です。
そのため、そもそも利息制限法の利率以下の金利で融資を行っていた業者に対しては、過払い金請求ができないということになります。
業者としては高利で融資をした方が利益を出せるため、グレーゾーン金利が存在していた時から利息制限法の基準に従って契約をしているケースは非常に少ないです。
しかし、こういったごくわずかな部類に入る低金利融資の取り引きでは、かなり以前から取引があったとしても過払い金は発生しません。
手元に契約書がある場合は、利率を確認してから過払い金請求の手続きをするのか判断するとよいでしょう。
契約書がない場合は、一度業者から履歴を取り寄せて確認します。
2010年以降の新規取引をした場合
確実にグレーゾーン金利で取引をしていないケースが、2010年以降に新規取引をした場合です。
つまり、改正貸金業法施行後の取引はすべて利息制限法で取引をしているため、2010年以降に新規で取引をしている場合は過払い金請求ができないということになります。
なお、一部の業者は改正貸金業法の施行前から順次利息制限法による取引に変更してきたため、2010年より数年前からの取引であっても過払いになっていない可能性があります。
逆に、2010年以前の取引ならば途中で金利を変えているケースもあります。
長期的に取引をしていて、現在の金利が利息制限法通りであったとしても、さかのぼって計算をすると過払いになっているかもしれません。
自分がいつ新規申し込みをしたのかを一つの判断基準にしましょう。
完済から10年以上経過している場合
過払い金が発生していても、今となっては過払い金請求ができないケースがあります。
これが完済から10年以上経過している場合です。
過払い金請求には時効があり、最終取引から10年が経過した時点で時効が成立します。
こうなると、過払い金があったとしても業者が時効を援用すればそれ以上の請求はできません。
完済して相当年数が経過している取引で過払い金請求をするときは、できるだけ早めに手続きをしましょう。
なお、現在続いている取引も、一度完済してから新たに借り入れをした場合に、完済した時点で時効扱いになることがあるため、注意が必要です。
一般的には、同一番号の取引で完済から新たな借入まで1年未満であれば一連一帯の取引とみなされ、時効扱いにはならないといわれています。
クレジットカードのショッピングで利用したいた場合
改正貸金業法は、その名のとおり貸金についての取り決めをまとめたものです。
そのため、クレジットカードをショッピングで利用していた場合には、過払い金請求はできません。
ショッピングに関しては割賦販売法が適用されるため、利用年数や金額などに関係なく過払い金請求ができない事例になります。
ただし、キャッシング枠があるクレジットカードで借入をした場合には、キャッシング枠については過払い金請求ができる可能性があります。
つまり、カードで買い物をした場合とキャッシングで現金を引き出して買い物をした場合では扱いが異なるのです。
もちろん、グレーゾーン金利でキャッシングをしていたこと、時効にかかっていないことなどの条件は必要ですが、買い物もキャッシングも利用していたという場合には、カード会社の債務についても調査してみるとよいでしょう。
過払い金を請求する賃金業者が倒産している場合
過払い金が発生していて時効になっていない場合でも、過払い金請求ができない事例があります。
これが、請求先の貸金業者が倒産している場合です。
改正貸金業法が施行されてからは、該当者がこぞって過払い金請求をしたため、どの貸金業者も資金難に見舞われました。
大手の業者や銀行の子会社などは持ちこたえたものの、中小規模の業者は過払い金請求が負担となって相次いで倒産したのです。
そのため、今となっては請求先がなく過払い金請求が不可能になっている可能性があります。
ただし、社名を変更したり他社に債権譲渡や合併したりしている場合には、譲渡先や合併先に過払い金請求ができることもあるため、すぐに諦めるのではなく、請求先がどうなったのか一度確認してみた方がよいでしょう。
銀行カードローンや住宅ローンを利用していた場合
貸金業者のキャッシングと銀行系カードローンは似たようなものと認識されがちですが、過払い金請求に関して言えば全く異なります。
というのも、銀行は改正貸金業法の施行以前から低い利率で融資を行ってきたため、引き直し計算をしても逆に残債務が増える結果になるのです。
具体的には、利息制限法が年15~20%なのに対し、銀行のカードローンは年10%を切っている金利になっています。
元々、銀行の融資はカードローン以外のローンも低金利で行われているため、住宅ローンやマイカーローンについても過払い金請求の対象とはなりません。
過払い金請求を検討している時には、消費者金融系、もしくはキャッシング枠を利用しているクレジットカード会社に絞って請求する必要があります。
なお、銀行と提携していたり、子会社であったりしても、消費者金融業者として成り立っている業者は過払い金請求が可能です。
まずは金利を確認しましょう。
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過払い金請求が発生しない賃金業者
ローンを利用していれば無条件で過払い金が発生していると考える方がいますが、過払い金請求できない貸金業者は数多く存在します。
原則として過払い金が発生しているのは、グレーゾーンで融資していた貸金業者に限定されます。
かつての消費者金融や信販会社などは20.0%超の利率で貸出している業者があり、この場合はグレーゾーン部分の利息回収が可能です。
一方で銀行や信用金庫などは利息制限法を厳守して融資していたため、過払い金が発生していることはありません。
また消費者金融などのノンバンクの中にも利息制限法の範囲内で貸出していた業者はあり、こうした業者の場合も過払い金請求はできないです。
グレーゾーンで借りていたかどうかが要となるため、過去のローン利用明細をチェックすれば判断できます。
18.0%以下の金利で借入していた場合は、過払い金請求できない可能性が高いと考えてよいでしょう。
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諦める前に過払い金が請求できるケースの確認を
借入先がわからない場合
複数の貸金業者から借入していると、借入先がわからなくなるケースがあります。
過払い金はあるとき急に返還されることはなく、自分から回収しようと決めないと取り戻すことはできません。
借入先がわからず過払い金請求を諦めている方は、弁護士に相談してみるのが得策です。
個人信用情報機関や貸金業者への情報開示請求をすることで、過去のローン利用履歴を調べてくれます。
過払い金請求をするためには借入総額・実質年率などを把握しておく必要があります。
利息制限法の範囲内の利率で借り入れしていた場合は、過払い金請求はできないのです。
貸金業者との契約書類やローン利用明細を破棄してしまうと自力で過払い金発生の有無を確かめるのは困難ですが、弁護士に依頼すれば代わりに調べてくれます。
過払い金の発生が判明した場合は、そのまま回収手続きに移行することも可能です。
過払い金の相談・調査だけなら無料で対応してくれる法律事務所が多いのでまずは相談してください。
明細や契約書を無くした場合
明細や契約書をなくしても貸金業者に対して開示請求をすれば、過去の利用状況がわかります。
ただし自分で手続きをしても情報開示には応じてこない業者が多いという問題があります。
貸金業者側としては1円といえども過払い金の返還をしたくないので、のらりくらりと交わしてくることが多いです。
自力交渉をしてもまったく話が進まないときは、速やかに弁護士に相談しましょう。
自力交渉をおすすめできない理由は、貸金業者が金融のプロであるためです。
素人が交渉しても相手にしてもらえないことが多いですし、10%の返還なら今すぐに可能などと和解案を持ちかけてくることもあります。
つまり自力で過払い金請求をしても、全額回収できないケースが多々あるわけです。
明細や契約書が見当たらなくても、弁護士に任せれば代わりに開示請求をしてくれます。
困ったときは自力で解決せずに専門家に相談するのが失敗しないコツです。
自己破産している場合
過去に自己破産をしているので、過払い金請求はできないと考えている方は少なくありません。
しかし自己破産をして借金をゼロにした状態であっても、過払い金が発生している可能性はあります。
貸金業者は自社のマイナスになる行為は避けますから、たとえ過払い金を全額返還すれば債務者の借金がゼロになる状態であっても、自分から返すと持ちかけることはありません。
法律は知っている者の味方になってくれますが、知らない者は守ってはくれないのです。
自己破産をした後ろめたさがあると過払い金請求を躊躇するかもしれませんが、過払い金請求は正当な権利なので遠慮する必要はありません。
自分で返還請求をするのが難しい場合は、弁護士に依頼すればよいのです。
債権者との仲介役になって返還請求をしてくれますから、依頼者は返還を待っているだけでOKです。
過払い金請求で回収できる金額は平均して100万円を超える現実があるため、グレーゾーンで借入していた方は手続きをしないと損をします。
リボ払いで利用していた場合
過払い金請求は過去にグレーゾーンで借入しており、かつ時効を迎えていなければいつでも行えます。
過払い金請求のCMが活発に行われている背景には、ローンの最終契約から10年で時効を迎えることが大きな理由としてあります。
例えばグレーゾーン時代に借入して利息を払いすぎていても、完済からすでに10年を超過していると過払い金請求ができないわけです。
リボ払いで利用していたので過払い金回収は難しいと考える方もいますが、支払い方法はまったく関係ありません。
重要なのは貸金業者に対して、どれだけ利息を払いすぎたかです。
リボ払いは少額返済・高金利が一般的ですから、リボで利用していた方は相当な過払い金が戻ってくる可能性があります。
キャッシングの返済後にすぐ借入するという使い方をしている方は、過払い金請求をする必要性が大きいです。
リボ払いは毎月の返済額を圧縮できる反面、総支払い利息が最も膨らんでしまう返済方法なのです。
完済したが複数回借入があった場合
すでに借金を完済し、その後に複数回の借入をしたという状況でも過払い金請求はできます。
利息制限法では上限利率を20.0%としており、例えば27.0%で借りていた方は少なくとも7.0%は余分に利息を支払っています。
過払い金請求は返済途中のローンだけでなく、完済後でも自由にできるのです。
ローン完済後は過払い金もリセットされると考える方がいますが、払いすぎた利息は時効を迎えない限りは回収できます。
ただし自分で回収するのは極めて難しいので、借金解決が得意な弁護士に任せましょう。
弁護士は誰でもよいわけではなく、過払い金の回収実績が豊富な方を選んでください。
借金問題に精通している弁護士だと、スムーズに問題を解決することができます。
信頼できる弁護士を選んで、返済中や完済後の複数回借入を証明する書類を用意して相談を受けてください。
書類が用意できない場合は弁護士が貸金業者に対して利用履歴の開示請求をするので、書類がなくても過払い金請求は可能です。
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まとめ
過払い金請求ができる貸金業者には条件があり、過去にグレーゾーンでのローン契約をしていたり、かつ時効を迎えていない状態なら過払い金請求ができます。
ご紹介したように、過払い金は借入先がわからない、明細・契約書をなくした場合、自己破産をしたりリボ払いで利用していたケースでも請求手続きが可能です。
弁護士に依頼すれば債務者の代わりに回収手続きをしてくれますので、自力交渉をする必要はありません。
また、完済後に複数回の借入があっても問題ありません。
過去に利息制限法を超える金利で借入していたこと、貸金業者との最終契約から10年を超えていないことが回収できる条件となります。
できないと諦める前に、まずは弁護士に過払い金を請求できるか相談してみましょう。
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