過払い金請求の裁判の流れや期間は?費用はいくらかかるの?

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過払い金請求の裁判は、通常貸金業者が和解交渉で請求金額に応じない場合に裁判になります。

一般的には裁判による過払い金請求の方が、時間も長くかかる場合が多いです。

しかし裁判による過払い金請求は内容によっては、和解交渉よりも早く解決する事もあります。

そのため安易な和解交渉を選択しないで、裁判による過払い金請求もよいでしょう。

依頼者にとってよりよい方法を選択しましょう。

今回は裁判による過払い金請求について詳しく解説します。

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過払い金請求の解決方法は裁判と和解交渉の2つがある

和解交渉とは

過払い金請求における「和解交渉」は裁判を起こす前にお互い交渉で、譲歩して過払い金請求交渉を解決することをいいます。

この交渉による和解内容はさまざまです。

満額で返還される場合もあれば、貸金業者から早めに返還を受ける代わりに過払い金の何割かをカットする内容を受けるなどの譲歩案に応じる場合があります。

譲歩案を提示された場合、それを受ける受けないかは、依頼者からの意向により、最終決定するのが通常です。

「裁判前の和解交渉」のメリットは早期解決する可能性が高い事です。

しかし全ての「和解交渉」が早期解決につながるわけではありません。

またデメリットとして返還される請求金額が低くなることが多くなります。

過払金請求の裁判とは

過払い金請求の裁判は、返還請求を法廷の場で裁判により行なう手続きのことです。

この裁判による過払い金請求は民事訴訟となり、訴訟金額が140万円を超える場合と140万円以下の場合で手続きが異なります。

請求額140万円を超える場合は地方裁判所での訴訟に、それ以下の場合は簡易裁判所の訴訟扱いになります。

手続きの流れは双方の要望を書面で取りかわし、立証する流れが一般的です。

最終的に和解を裁判長から勧告されるか、それに納得がいかない場合のみ、裁判所が判決を言いわたします。

裁判での和解提案はほとんどが納得する場合が多いです。

しかし依頼者と、法律の専門家の話し合いによっては判決に委ねられることもあります。

過払金請求で裁判するメリット

満額回収or和解交渉より多く取り戻すことができる

過払い金請求の裁判は時間も長くかかり、手続きなどの労力も増えます。

しかし、裁判を起こすことはいくつかのメリットがあります。

それがspan class=”txtBlue”>「満額回収できること」と「和解交渉より多く取り戻すことができる」ことです。

これは裁判を起こし判決が出ることで強制執行ができることにあります。

裁判前での和解は司法上で「裁判前の和解」に分類されますが強制力がないため、和解調書通りに支払われない場合もあるのです。

しかし裁判で過払い金請求をすると強制力があるため、判決通りの支払いがなされない場合には強制執行する事ができます。

そのため貸金業者も判決を無視することはできません。

満額回収を考えている方は裁判での過払い金請求の方がメリットが大きくなります。

実は早期解決に繋がりやすい

また過払い金請求では貸金業者もできるだけ返還金額を抑えたいのが本音です。

しかし裁判前の交渉では基本的に貸金業者が有利な立場になるため、依頼者の考えによっては裁判を起こした方が早期解決に繋がることも多くあります。

裁判を起こすメリットは判決により強制力が出ることです。

また判決が出た場合には、貸金業者は判決後一定期間内に必ず支払わなければいけません。

そのため過払い金請求の法律家の交渉力によっては裁判前の和解交渉よりも短期間で終わるケースも多くあります。

裁判前の和解交渉は双方の合意がなければ終わらないため、双方が譲らなければ長期化するケースもあり、結果多くの時間を費やす場合も多くみられます。

時効を止めることができる

過払い金請求で裁判をする大きなメリットとして、「過払い金請求の時効」を止められるメリットがあります。

これは過払い金請求においては通常時効があり、一定期間が過ぎると「過払い金請求をする権利が消滅する」からです。

この時効は最終取引日から10年以内であり、多くの方がこの時効によって請求そのものができなくなっています。

貸金業者もこのことを考慮して、裁判前の和解交渉では様々な手口で交渉の引き伸ばしをかけてきます。

しかし裁判を起こすと、裁判所が訴状を受理した時点で、時効を止めることができるのです。

このように最終取引日から「過払い金請求ができる権利」の時効が近づいている方は裁判を起こす方がはるかにメリットがあります。

過払金請求の裁判をするデメリット

裁判費用が別途でかかる

しかし過払い金請求で裁判を起こすデメリットとして裁判費用が別途かかってしまうことです。

裁判でかかる費用は訴訟額により印紙代がまずかかります。

次に「郵便費用」や「代表者事項証明書」などががかります。

これらの裁判費用は裁判で勝訴した場合には、訴訟相手である貸金業者に裁判費用として請求することができます。

しかし裁判の途中で判決が出る前に和解した場合、これら費用は原告の負担となる点に注意してください。

また弁護士費用も勝訴、敗訴しても相手方に請求することはできません。

これら裁判費用と弁護士費用が別途でかかることをデメリットとして、頭に入れてから裁判を起こしてください。

裁判が長引いて過払い金の返還までに時間がかかることもある

過払い金請求の裁判をするともうひとつのデメリットとして裁判が長引き、過払い金の返還期間が長くなることです。

これはお互いの主張を口頭弁論で交わすのですが、1カ月から2カ月に一度のペースとなります。

裁判が長くなる要因として過払い金のほかに「過払い金の利息」も支払う可能性が出てきて、それを貸金業者が支払いを嫌がることです。

また同じ貸金業者との間に完済した取引とそれ以外の取引がある場合、それ以前の取引により生じた過払い金は時効なのではいう主張を貸金業者がして、裁判が長引く事もあります。

この「取引の分断」も過払い金請求の裁判ではしばしば問題になります。

これらがある場合はあらかじめ専門家に内容をよく相談してから裁判を起こしてください。

自分で請求している場合は裁判を起こすのが大変

過払い金請求の裁判をするデメリットとして、もし自分で過払い金請求をしている場合、裁判を起こす労力が大変であることです。

自分で裁判を起こすためには、まず請求に必要な書類を全て用意しなければいけません。

裁判の場合は「訴状」、「証拠説明書」、「引き直し計算書」、「代表者事項証明書」を自分で用意する必要があります。

その他に裁判のポイントや法律に関する知識もあらかじめ頭に入れておく必要がでてきます。

もしそれらの知識が無いと結果的に裁判が長引きます。

また法廷に出席するため、仕事を休まなければいけないかもしれません。

そのため過払い金で裁判を起こすときには専門家に最初から任せる方がさまざまな負担が減り、過払い金請求の回収額も増えます。

そのため過払い金請求は自分一人で訴えないで、初めから弁護士や司法書士といった法律家に任せるようにしてください。

過払い金請求の裁判時の費用

印紙代

過払い金請求の裁判を行う場合、収入印紙代が費用として発生します。

この印紙は訴状に貼らなければならないため、必ず必要となります。

また、訴状に貼る収入印紙代は訴額に応じて変わります。訴額とは被告に請求する金額の事を指します。

具体的に印紙代は100万円以下の請求の場合は10万円につき1000円の印紙代が掛かるため、10万円で1000円分の印紙、20万円で2000円分の印紙、100万円で10000円分の印紙代が掛かることになります。

次に訴額が100万円以上500万円以下の場合、20万円につき1000円分の印紙代がかかります。

120万円で11000円分、140万円で12000円分、500万円で30000円分の印紙代が必要となります。

また、500万円以上1000万円以下の場合には50万円ごとに2000円が同じように掛かってくることになります。

郵券代

過払い金請求の裁判には収入印紙代の他に郵券代の費用が発生します。

この裁判に関する書類の郵送には通常の切手は使用せず、裁判用の郵送代金が掛かるからです。

過払い金の請求を行う場合、裁判に関する書類を被告に郵送する必要があるためです。

郵送代金は所轄の裁判所によって金額の増減はありますが、おおよそ6000円前後を準備しておくと安心です。

また、裁判所が被告に書類を郵送する際に不足した場合には追加で支払い、余れば返還してもらうことができます。

支払い方は訴状を提出した際に、現金及び切手にて支払うことができ、裁判所によっては振込での郵券代の支払が認められている場所もあります。

郵券代は自分で支払うことになっていますが、裁判に勝訴した場合には被告に郵券代も請求することができます。

代表証明者取得代

過払い金請求の裁判を起こす際、被告が貸金会社や企業であった場合には、その会社の代表者事項証明書という書類の提出が必要となります。

この代表者事項証明書は、被告が実際に存在する会社であるのか、どのような会社がどこに存在しているのかということを裁判所が確認するための書類になるため、1通必要となります。

代表者事項証明書は法務局で取得することができ、書類には企業の名前や代表者名、住所など。かかる費用は1通600円程で取得することができます。

また、代表者事項証明書には記載された日にちの時点での証明書になるため使用期限があります。

期限切れで取り直しになると2度手間になってしまうため、取得後は速やかに提出できるようにしておきましょう。

訴訟手数料

過払い金請求の裁判を弁護士に依頼した場合、大きく3つの費用が掛かります。

まずは着手金と呼ばれる依頼時にかかるお金です。

事務所によっては着手金負担0円の事務所もありますので、取り戻せる金額で賄いきれない可能性がある場合には着手金0円事務所に相談してみましょう。

次に成功報酬です。裁判に勝訴した場合に過払い金で戻ってきた金額の1割から2割分を支払うことになりますが、弁護士事務所によって成功報酬が異なりますので依頼時に必ず確認しておきましょう。

最後にかかる費用が手数料です。

自分自身で裁判の手続きをしても、弁護士を介しても裁判を起こす際に必ず手続きに掛かってくる費用を指します。

印紙代や切手代、代表者事項取得証明書代が該当します。

成功報酬の上乗せ分

通常裁判費用として、成功報酬が掛かることがありますが過払い金請求の場合は基本報酬の他に過払金報酬が掛かる場合があります。

請求をする相手の企業が複数あり、その解決に労を費やした場合には「過払金報酬」が該当します。

こちらは通常の費用に上乗せしてかかるため、基本報酬が「成功報酬」と「過払金報酬」に分かれているのか確認しておくと安心です。

上乗せ分として成功報酬の10~20パーセントを目安に掛かかると考えておいた方がよいでしょう。

また、弁護士事務所の中には成功報酬の上乗せを行っていない事務所もあり、また過払い金の期限が切れてしまっていたり調査・裁判の結果過払い金が無かった場合には、原告側が赤字になってしまわないように弁護士費用自体を支払わなくても良いとしている事務所もあるため裁判の際には複数の弁護士事務所に相談してみることをおすすめします。

裁判時にかかる実費

過払い金請求の裁判に必要な費用は「収入印紙代」「郵券代」「代表者事項証明書」がかかり、弁護士に依頼した場合には「弁護士費用」が別途かかってきます。

分かりやすく訴額が100万円の場合どれぐらいの費用がかかるのか、おおよその実費を計算してみましょう。

収入印紙代1000円,郵券代に6000円,代表者事項証明書600円,加えて裁判所や法務局までの交通費が掛かります。

これに弁護士費用として着手金2万円,成功報酬や事務手数料・日当が掛かった場合おおよそ20万円前後が必要となるため、戻った過払い金100万円ー弁護士費用20万円で80万円ほどが過払い金として手元に戻ってくることが予想されます。

また、被告の企業が複数社になる場合には印紙代や郵券代がかかるため注意が必要です。

過払い金請求の裁判の流れと期間

過払い金請求の裁判を起こす場合、個人で行うよりも裁判のプロである法律事務所や司法書士を通して行う方がスムーズに行われるため解決までの期間は短くなります。

被告の企業も法律事務所からの情報開示には早期に応じることも多いため、早ければ3~4か月で解決することがありますし、訴訟になった場合でも半年から一年の間には解決することが多くなっています。

個人で行うと2~3か月程度長期化することが多いため時間に余裕を持たせた請求が必要です。

また、全体の流れとして貸金業者・企業への情報開示を行い、金額を引き直したうえで過払い金請求を行います。

次に電話などで和解交渉を行い、決裂した場合には訴訟の提起へと移行します。

訴訟を起こしながらも金額の和解交渉を行うことが多いため、しっかりと希望金額を伝えていよいよ過払い金の返還へと移っていくというステップです。

勝訴してからは3か月前後で貸金業者からの過払い金の支払があります。

まとめ

過払い金請求の裁判には費用も掛かりますし、訴訟になれば解決までの期間も長くなってしまいますが、払い過ぎた大切なお金を取り戻すためには労を惜しまずに請求しましょう。

勝訴すれば印紙代や郵券代は被告に請求することができるので安心です。

また、借入先が複数個所であったり返済の期間が長期に渡っているため金額等が不明確になってしまっている場合などは、様々な手続きや書類があるために「くじけそうになったり面倒になって諦めてしまう」というのはとてももったいないことです。

そのような時には法律事務所や司法書士などの法律のプロの力を借りて過払い金請求を行えば、代理人としてほぼすべての作業を任せる事ができますし、通常通りの生活をしながら解決への道をしっかり歩んでいくことができますよ。

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