小規模個人再生の申立における家計簿の作り方

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小規模個人再生に必要な書類、そして収集のコツ

本日は、1,000万円の債務整理に取り組んでいるAさんのお話です。 Aさんは、銀行カードロー…

その中で、多くの人がどう対応するか迷いそうなのが、家計簿(家計収支表)。今回は、これに関するお話です。

そもそも、家計簿なんてつけてる?

家計簿。今さら定義付けなど必要ないかもしれませんが、ウィキペディアより。

家計簿(かけいぼ)とは、家計において一家の収入・支出などを記入する帳簿のことである。確固とした基準が無いため多種の様式が存在する。現金及び、現金同等物の収入支出の記録が主であるのでキャッシュ・フロー計算書に似ている。

だそうです。

ところで皆さん、家計簿って、つけてますか?

このブログで取り扱っているAさんの事例の場合、家計簿などというのは全くつけたことがなく、それゆえに自らの収入だけでは家計を賄えなくなっていることを客観的に気づくのに、随分と時間がかかってしまったようでした。

また、そういう方は非常に多いと思われますので、「小規模個人再生の申立において、家計簿の提出が必要」というのは、実は結構な心理的ハードルになっているのでは…と感じています。

家計簿の様式は決まっていない!

ところが、ここで1つ、先ほどのウィキペディアに、大きなヒントが隠れています。

> 確固とした基準が無いため多種の様式が存在する。

そう、家計簿には、確固たる基準がない…裏を返せば、「自分である程度好きなように基準を設定できる」ということなのです。

つまり、市販の家計簿のようなきめ細かい様式にする必要は必ずしもなくて、自分が説明できるような数値を拾える項目のまとめ方ができてしまいます。

ですので、ここの項目をどのように設定し、どのような表を組むかを、まずこちらで考えることができるのです。

正確な数値は通帳と突合できるものだけでOK!

さて、数値を把握しやすい項目のまとめ方をしたとして、次に悩むのが、「どのような数値を入れるか」という問題。

家計簿をホントに正確に記録しようと思ったら、日々のお買い物について、レシートを残しておき、銀行でお金の出し入れがあったら、取引明細を記録したりしなければなりません。

でも、そんなの、普通はやってないですよね。では、どうするか。

先ほどの話に戻ってみますと、正確な家計簿をつけるためには、レシートなどが必要だというような話になりますが、このレシートは、要は「何に、いくら使ったかの証拠書類」なわけですよね。

てことは、少なくとも、その証拠書類があるものだけは、数値をしっかり合わせておけば良い。

じゃあ、その証拠書類って、レシート以外は何があるのか…。

それは、通帳です。

前回のブログ記事でもお話ししましたように、個人再生の申立においては、通帳(のコピー)を裁判所に提出することが求められます。

これと、同時に提出する家計簿との間で、整合性がとれているかというのが、チェックの対象になり得るということなんですね。

これにより、たとえば光熱水費や公共料金、家賃・住宅ローンなどといった、口座振替の形で支払っている項目については、円単位でバッチリ数値を合わせることができるわけなのです。

そして…逆を言うと、このように、客観的な根拠資料を示せない支出…たとえば、食費などがそうだと思うのですが、これらは、

月末の収支状況とつじつまが合う(たとえば収支が大黒字・大赤字だとおかしい)

一般的に妥当な金額である(たとえば月末の収支を合わそうとするあまり、月の食費が5,000円とかになるというのは通常考えがたい)

という点に注意しさえすれば、概算の数値…つまり「ざっくり」でもOKということになります。

そりゃあ、書類を審査する裁判所の立場だと、正確な家計簿が出てくるに越したことはないのですが、現実問題として、なかなかそこまでは望みがたい…ということで、こういう形になっているのかなあ、と想像しています。

家計簿サンプル

ということで、今回、Aさんの事例を参考に、家計簿のサンプルをご用意いたしました。

実際に提出されたものと、項目の設定の仕方は変えていますし、また数値も架空のものを置いていますが、雰囲気は十分伝わるのではないかと思います。

このサンプルでは、分かりやすくするため、「通帳と突合がかかるもの」について、セルを黄色に着色しています。

逆に言うと、それ以外のところは、概数では正しいということを前提に「調整しろ」として使える、ということですね。

ちなみにAさんの事例では、弁護士費用を支払っている途中で家計簿を作っていました。この「弁護士費用」が、再生計画認可後の返済額に相当する、という考え方になります。

ですので、もし弁護士費用支払後の状態で家計簿を作るときは、ここが「別口座への積立額」という項目になるのでしょう。

【まとめ】家計簿は分かる範囲で正確に、残りは「ざっくり」で

今回は、小規模個人再生の申立を行う際に必要な「家計簿」の作り方について、少し深入りして開設してみました。

とにかく、意識すべきポイントは

通帳と突合のかかるところは、しっかり数値を一致させること

それ以外のところは、概数として正しければ「調整しろ」として差し支えないこと

この2点でしょうか。

家計簿と聞くと、正確に作らないといけないというプレッシャーがあるかもしれませんが、現実問題として、債務整理中の人がこれをできているかというと、結構難しいというのは周知の事実。

できる範囲のことを正確に、誠意をもって資料を作り、説明しきることができれば、ここはちゃんと突破できます。

必要以上に恐れる必要はありません。専門家の方としっかり相談しながら、頑張っていきましょう。

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